BLゲーム 神学校-Noli me tangere- 感想2 レオニードルート ネタバレ
神学校、これめっちゃ面白いわ。
BLと神学校が見事なまでに融合している。
あと、人間くさくて良い。
人の優しさや妬みとか、そういう感情が複雑に絡み合って話が進んでいく。夢中になってプレイしてます。
それでは1人目、レオニードの感想です。
見目麗しく頭脳明晰。全生徒の模範となる総監督生であるレオニード。ほとんどの生徒は彼に憧れつつも、恐れ多く近寄りがたいお方…そんな印象を持っているのだと思う。
以下、ネタバレですのでご注意ください。
秘密結社の黒ミサ初参加した際、リーダーであるルシフェルの音声がまんまレオニードだった。
なにこれ、ルシフェルの中の人ってレオニードやん!
マイケルも私もすっかり騙されてました。
非の打ちどころがない生徒なのかと思いきや、汚部屋主・不器用・酒弱等。見た目とのギャップがかなり激しく、大変可愛らしい一面も持ち合わせた人でしたね。
マイケルとはお互い秘密結社『赤蛇の土』に関わっているのでないか?と腹の探り合いからのスタートでしたが、マイケルが彼の手伝いをするようになってから徐々に打ち解けていく様子がとても丁寧に描かれていた。
マイケル自身が『赤蛇の土』のメンバーであることを何度もレオニードに打ち明けたかったのに、ルシフェルの声や彼でなければ知りえないだろう情報を口にしたことで、どうしても信じることができずにいる。
「彼に嘘はつきたくない騙したくない」という気持ちと、事件の真相を突き止めるまではどうあってもメンバーだと悟られてはならない。このあたり、主人公の揺れ動く心情と駆け引きがすごく面白い。
一方レオニードの生い立ちがこれまた複雑で、母親から見ると前の夫との子供という立場になる。婚約者もいたが、今の資産家である義父との間に生まれた弟の方と結婚が決まり裏切られた形になった。
家からも追い出されるような形で神学校へ来ている為、「人を信用するのが苦手」だということを後に知らされることになる。
どちらも本音は「信用したい」と願っているのに、なかなか歩み寄れないでいるのがもどかしかった。
黒ミサで「悪魔を呼び出すために予言してみようじゃないか」というイベントがあるのですが…。
この後メンバーの予言が次々と当たり、全て的中すると最終的にルシフェルが各々に伝えた予言の通りになるよーという流れ。
この最後の予言が、メンバー本人の死や近しい人を自らの手で殺すと言った内容で、予言が当たって精神的にどんどん追い詰められていく感じがとても恐ろしく感じた。
ルシフェルの正体がここで明らかになってるけど、これってメンバーが「悪魔が存在している」と暗示にかかってしまっている状態なんだろうか。
悪魔は自身の『恐ろしい、怖い』という感情の中から生まれているような気もするし、またそれに抗える力も自分の中にあるように思える。
マイケルもルシフェルの予言に苦しむことになるんだけど、再び祈りの言葉を口にし、自身と向き合うことによってこの展開を打破することとなる。
『祈り』が神との対話なら、神という存在はどんなのものなのだろう。人を慈しむことで神を知る事ができるのならば、人の中に在って拠りどころなる信仰そのものが『神』となるのだろうか。
マイケルの家族が亡くなった事件だけど…。彼の父親であるダニエルが、学生時代秘密結社に在籍し、マイケルと同じ『愛する者を自ら手にかける』という予言をもらったことから起こったものだったようです。
悲しい事件ではあったけど、レオニードの言葉を通して「マイケルは置いていかれたわけではなく、むしろ父親から守られていた」と知り、またレオニードもマイケルと出会ったことをきっかけに、「自分は存在してもいい人間である」と許すことができた。
同性愛が罪だという世の中であっても、互いが信じ愛するものを守りたいという気持ちのどこが間違っているというのだろうか…。
エンディングではレオニードが政治を学ぶ道を選ぶ。同性愛が犯罪であるという法を変えたいということらしい。
神学校、すごいね。
神とか同性愛がどうとかって、あえてこの舞台とテーマに正面から向き合い完結しているところが素晴らしい。
今まだ1人目だけど、他のキャラを終えていく頃にはまた新しい真実を知ることになるのだろうか…。次はニールにいってみようと思う。
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