腐ったゲーム箱

SwitchとBLゲームのプレイ日記です。

BLゲーム 神学校-Noli me tangere- 感想6 ガビィルート ネタバレ&フルコンプ サントラとか

神学校、ガビィルート終了しました。

ガビィは主人公マイケルの双子の弟。このルートはガビィの存在に対する疑問も明かされ、大団円と言っていい終わり方でした。

でもどこか切なさを残していて、ラストは涙なしではいられないくらい心を揺さぶられました。

ガビィの前にクリアしたオーガスト神父同様に、この2人は物語の神髄に関わるルートです。恋愛的要素よりも人間的な道徳観や人の愛情に触れた内容となっていましたね。


そして神学校フルコンプです。

最後の最後まで本当に面白かった。1人1人を攻略していくごとにシナリオの厚みが増して、夢中になってプレイしました。

神聖なる神学校での同性愛や、マイケルの周りで起こる奇怪な事件。BLゲームだからこその醍醐味が、最大限生かされていたように思います。

特に『神とはなんなのか』については、各キャラルートごとに様々な解釈があり、うまくシナリオとリンクされて「そうくるかー!」と驚かされました。

人だからこその弱さや迷いからくる失敗を、手探りで正面から解決していく様子が、プレイしていて本当に気持ちが良かったです。

というか、私がそういう人間味溢れたストーリーが好きなだけなんですけど…。

またこんなBLゲームがしたい。

未プレイかつ、ストーリー重視のBLゲームをお探しでしたら、是非遊んでみて欲しいですね。ボリューム的にも満足できるかと思います。



それとお尻大好きな校長のキャラについて。

随所に校長とは名ばかりのシーンが出てきますが、シリアス展開の雰囲気を壊さず笑いのツボを突いてくる人物でした。

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美しく可愛らしい少年がお好みのようですが、例に漏れず主人公マイケルのことも狙っていたようです。

マイケルってジュニア生時代はやんちゃだったらしく、校長に何度もイタズラをしてたらしいんですよ。

それを校長が「自分の気を引きたいが為にやっている行為」だと勘違いしてたという…。

尻を蹴り上げたいくらい腹立たしいシーンもありましたが、終わってみれば神学校のマスコット的存在でもあったように感じました。

勿論、気持ち悪い方で。

ただ中の人には大変楽しませていただきましたので、「本当にお疲れ様でした」と言いたいです。

 

本編はこれで終了となりますが、神学校とても面白かったのでファンディスク『神学校 The Gift』と『進学番長』をプレイ予定です。

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それとサントラも買いました。2枚組。ゲームに収録されていない曲があったり、ブックレットには全曲の解説があります。 

神学校-Noli me tangere-サウンドトラック

神学校-Noli me tangere-サウンドトラック

 

神学校の主題歌でもある『Noli me tamgere』ですが、細井氏が「本当はラテン語にしたかった」とあるように、私もこれは是非ラテン語で聴きたかったな、というくらい素敵な曲です。

感動した場面で使用された曲は、聴いただけで涙腺が緩む。

ピルスラで他に買ったサントラは『マスカレード』ですね。これの主題歌が好きで、今でも時々聴いてます。


『神学校-Noli me tangere-』


それではラスト、ガビィの感想です。長いです。

ネタバレしてますので、ご注意を。

 

 

ガビィが他の生徒に認識されていない件。

唯一、現在進行形でガビィの存在を認知してたのはオーガスト神父だけという現実。まぁ、これは彼が悪魔憑きという特異体質だったからなのか…。

やはりガビィは実在しておらず、マイケルが作り出した空想上の弟でした。

幼い頃、鏡に映る自分を『ガブリエル』と名付け、1人遊びをするマイケル。


ジュニア生の時、親友となったセシルに『秘密の弟』がいることを話しています。だからセシルはガビィのこと知ってたんですね。

ではいつから空想上であった人物が、あたかもそこに在るかのような描写に変わってしまったのか。全てのきっかけは、あの生誕祭の夜、家族を失った事件から始まっている。

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ガビィはオーガストルートからの分岐となるため、例のボート小屋でオーガストから同性愛的行為を受けるのは共通です。

これが原因で、穢れた自分が友人と交流することに負い目を感じていました。

そんな中、ガビィはオーガストがいる湖へ行く事よりも、セシルやルームメイトたちと交流することを執拗に勧めてきます。

マイケルが常々「ガビィは自分の半身である」と言っているように、基本的にマイケルの意見を尊重し、裏切ったりすることは絶対にありません。

そもそもマイケルが作りだしている人格なので、当然なんですが。

にもかかわらず明らかにガビィの意思で、マイケルを正しい方向へ導いていこうとしているのがわかるんです。

確か他のキャラ攻略時、ラザラス神父に「マイケルはあの事件以来、自分の殻に閉じこもってしまったように見える」と言われたのを思い出した。

家族を亡くしたことで神を捨て、ガビィに強く依存していたマイケルですが、そもそもそれこそが悪魔につけ入る隙を与えてしまっていました。

一方で、ガビィは自分が空想上の弟であることを理解しています。ルシフェルの予言者ゲームから逃れるには、ガビィが本来あるべき場所に還ることが必要なんですが…。

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そのマイケルへ、もうじき還るんだろう的なシーンから既にウルウルしてた私。

もとはマイケルなので、ガビィが消えるワケじゃないとわかっているのに、やっぱり決別するみたいで悲しい。

だって明らかにガビィは自分の意思も持っていたし、なによりマイケルを守ろうとしていました。

ここのシーンはエロありですが、正直もうあまりエロいとかそんなの感じてる余裕がなかった。

本来なら新しい門出となるシーンなんでしょうが、私はただただ悲しかった。



そしてここからは解決に向けて一気に話が進みます。

このルートは大団円でもあるので、セシルをはじめとしたルームメイトである友人たちの協力を得て、ルシフェルに関する情報を集めていきます。

この友人たち。別のルートでは、ルームメイト同士で同性愛者であることがバレて退学になったり。

とあるBADエンドで首つり自殺を図り、見るも無残な姿になったりと。それはまあ酷い結末を迎えているキャラがいるんですよ。

ところがこのガビィルートでは、誰も犠牲にならずにルシフェルの謎に迫っていきます。

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そして肝心のオーガスト神父ですが。

自分に全く靡かないマイケル。「構われたいのに、これじゃ意味がない。一体私は何をやってるんだろう…」と、徐々に悪魔であり続けることに疑問を感じる。

 

おいおい、一体どうした!

あの時の肉欲はどこへ行った!?


「愛する者を手にかける」の予言も、ガビィがマイケルのもとへ還ったことで失敗に終わっている為、もうそろそろ潮時じゃないかと考えるようになったみたいですね。

最後の対峙で、10年前に会っていることを思い出してくれたマイケルに満足したのか、それだけで十分と言うオーガスト

ガビィルートのオーガストは、毒気が抜かれたような人物になってて、ちょっと驚いた。

本人曰く、「いい年して、自分の後始末もつけられないのもどうかね?」的な発言もあったんだけど。

それアンタのルートで聞きたかったよ。

そしてこの場所に駆け込んできたラザラス神父に「この大バカ者め!!」と殴られていた。このへんは思わず笑ってしまった。

自分にも、まだこうして心配してくれる友人がいると知って嬉しそうだったな。

ラザラス神父も、友人であったオーガストのことをずっと案じ、彼にある心の闇をどうにかしてあげたかったと思っていたハズです。

最後はオーガスト神父から、マイケルが知りたがっていた『家族の死についての真実』を、不思議な力でプレゼントしてもらった。

やはりルシフェルの予言に苦しみ、妻・子を殺害したのは父であるダニエルだった。そして、愛する者を手にかけるべき人物はあと2人残っているという。

まだ彼を生かせようとする悪魔と、これ以上家族を手にかけることはしたくないダニエルの戦いがすごかった。

ダニエルは1人でこの予言と戦い、自害しました。

マイケルにはガビィや友人がいてくれたように、「父さんも誰かに相談してたら、結末が変わったかも知れない」

悲しい真実ではあったけど、父が自分のことを愛してくれたから、今こうして生きている。

家族の愛やガビィを通して、自分が生きる意味を知ることとなる。




終盤、ラザラス神父との会話で「ガビィは主がマイケルに与えてくれた天使だったのでは?」と聞かれます。

マイケルは、「それって神の御心と自分の心が一緒みたいな言い方じゃない?」と苦笑。

その後のラザラス神父の言葉。

『主も仰っているでしょう?神は全ての人々の心に宿っているのです』

このへん、ラザラス神父との2人語りで、神についての結論がわかりやすく終結している様子に非常に好感が持てた。

家族を失ったことで1度は神を捨てたけど、それはガビィという存在として常にマイケルの近くにいた。神はマイケルのこと、見捨てたりはしてなかったね。

そういえばいつもガビィが言ってたっけ。

 

『僕はいつも傍にいる』

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さて、オーガスト神父からもらったもうひとつのプレゼント…というか、ヒントみたいなもの。

『どうしてダニエルの予言は当たったんだろうね?』

そうです、これです。ガビィが作り上げた弟なら、マイケルは双子じゃないってことになるんです。

父ダニエルが予言した内の1つは『天使の日に天使のような双子が生まれる』なので、双子が実際にいないと、ルシフェルの予言は発動しないはず。

あれから1年経った頃、後見人であるエイハブおじさんが神学校に訪ねてきた。…この展開、まさか!!

マイケルに双子の弟がいたと。
しかも名前はガブリエル。

母親であるカレンが2人を出産した後。彼女の容体が思わしくなく、2人育てるのは厳しいっていう理由で養子に出していたらしい。

これが原因で、マイケルは寂しさを紛らわせるために『ガビィ』をいう弟を作っている。こうしたことから、確かに養子に出した理由の1つになっているのでしょう。

が!!


真意はきっと違うはず。

 

兄弟の存在はエイハブおじさんすら知らなかったと言っている。明らかに、ルシフェルの予言から逃れる為に養子に出したとしか思えません。

ガブリエルも自分が養子だったことは最近になって今の両親から聞いたらしく、兄弟がいるのなら是非会いたいと言っている。

マイケルじゃなくても期待しちゃうよね、こんな展開。自分の中に還ったあの『ガビィ』に、また会えるんじゃないかって。

で、今町で待っていてもらっているから、会ってみないかと。え?なにこの急展開。

エイハブおじさんは、なかなか気配りのできる青年だと言っていたが、もうこのへんであの『ガビィ』じゃないんだなってわかってしまう。

マイケルも会うことを承諾しておじさんと町へ行きます。


『はじめまして、僕はガブリエル。ガブリエル・カーティスだ』


私、このへんで限界だった。
とても落ち着いた印象で、『ガビィ』とは全然違ってた。

まだ兄弟がいたという喜びと、やっぱりあの『ガビィ』じゃないっていう現実が涙腺崩壊させました。

マイケルも感極まって、なかなか言葉を出せずにいた。そしてやっと「君に会えて嬉しい」と伝える。

『大丈夫、僕はここにいるよ』

 

マイケルは神が与えてくれた恵に感謝して幕を閉じました。

 

 


わかってるんだよ。

 

ガビィはマイケルなんだから、あのガビィがまた現れるはずがないって頭ではわかってる。それなのにこれだけ悲しいのは、やはりどこか期待してたんだよね。

そしてマイケルは1人じゃなかった。家族がまだ存在していたことに安堵し、本当に良かったなーって思うんですよ。

このエンディング後、しばらく放心状態。

 

神学校、最後の最後で予想を超えた展開だった。

 

ピルスラの作品は『Pigeon Blood』以外は全てプレイしましたが、神学校は毛色が違うというか、異色かもしれない。

変態・トラウマ・グロ・DVなどなど、これでもかというくらい各種取り揃っていますが、ノリがちょっと違うというのでしょうかね。

それとこのゲーム、思っていたほどグロじゃなかったよ。とか出てきたり、自殺したジャックの顔がすごかったくらいで、文章からくる不快感はなかったように思う。

どちらかと言えば、私には『Paradise』の方が堪えた。まぁ、それだけシナリオからくる臨場感が素晴らしいということだろうが…。

次回はファンディスク『神学校 The Gift』をプレイします。

 

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