Switch BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) 真相ルート フルコンプ ネタバレ 感想その6
バスタフェ、フルコンプしました。
真相ルートについては後半で語りたいと思います。まずゲーム全体に関する感想から…。
このゲーム中によく出てくるセリフ。
『何が正義かは自分で決める』
まさにプレイヤーにも「あなたはどう思う?どうしたい??」と常に投げかけてくるゲームだったように思いました。
法の上では『悪』でも、誰かにとっては『正義』にもなりうる。
正義と悪。
性質的にはまったく逆ですが、このゲームをプレイした後はどちらも同じ意味を持つ言葉にも思えてなりません。
ここに登場した人たち誰もが、相手のためにしてあげたい、もしくはしてあげたこと。これらが巡り巡って今が在るって感じでしたね。
誰かを攻略し終えた後は、毎度軽い疲労感に襲われたというんでしょうか。いろんなことを考えさせられたゲームだったように思います。
乙女ゲーというジャンルに収めておくにはちょっと勿体ない気もしますが、非常に楽しませていただきました。
恋愛要素に関しては、ごく自然にお互いが惹かれあっていく描写がうまいなーと思いましたね。個人的にあまりラブラブしいの苦手なので、程よくて良かったです。
そして声優さんたちが素晴らしかったです。特に攻略メンバーの5人。
スケアクロウ邸での何気ない会話が、これほど違和感なく聞けるのは拘りを持って演じてくださったからなのでしょうか。彼等の会話で何度爆笑したかわかりません。
特にこの感謝祭・七面鳥解凍シーンは突き抜けてました。
逆に不満点としては、スキップがもうちょいどうにかならないかなーといったところですね。
スキップが遅いです。画面が切り替わるところで止まってしまうので、こうしたところはどんどんスキップして欲しい。
次の選択肢まで飛べる『ジャンプ』機能もありますが、今までの経験上ジャンプは未読もすっ飛ばす恐れがあるので、できればジャンプはあまり使いたくないんですよ。しかもこれ同じ章の中でしか使えないし。
次作で何かしら対策していただけるとありがたいです。
ドラマCDなど、次回の展開もあるのかな?もし出れば追いかけてみようかなと思ってます。
フルコンしたので、以下、限定版の冊子やドラマCDの感想です。ネタバレはなしです。
〇設定資料集
各キャラのプロフィールの他、特に制作陣のコメントが嬉しい。作品のコンセプトから、制作への思い。こんなところを拘って作った等々。
たくさんの方が携わり、愛されて完成した作品だというのが伝わってきました。イラストも可愛らしかったです。
〇デラックスエディション ドラマCD『テウタの取材日記』
これはリンボたちが今みたいに一緒に行動する前の話だね。こんな風に出会ったんだよっていう内容でした。クロちゃんへの扱い。この頃からだったんだ…。
〇予約特典ドラマCD『BUSTAFELLOWS THE MOVIE』
草。
かなり草。限りなく草。
このCDは絶対ゲーム終えてから聴いた方がいい。
『劇場版 バスタフェロウズ』ね。もし実現するようなことがあったら、私間違いなく映画館で観るから。
では、ここから真相ルートのネタバレ感想となります。
真相と位置付ける話は2つありました。
1つは『ルイ・ロペス』について。
もう1つは、テウタの兄について。
『FULL CIRCLE』
始まって次々と明らかになる真実。
『ルイ・ロペス』とは、不法入国者としてこの街にやってきた兄弟が作った組織でした。
この兄弟が、比較的テウタに身近に近しい人だった。
兄…テオ(カルメンさんの恋人)
弟…アレックス(カルメンさんの店で働く少年)
全部カルメンさん絡み!
この少年、見た目は子供ですが、過去に顔も体もとある医師に姿を変えてもらっていました。ほぼサウリ先生だと思いますが…。もとはリンボと同じくらいの年らしい。
移民はこの街で人間として扱われず、殺されても誰も何も言わない。そんな弱い者たちを助けたい!と始まったのがきっかけのようです。
最初は小規模だったようですが、メディア・銀行・病院・大企業のトップから政治家に至るまで様々な人たちが繋がり、互いが互いの秘密を守ることで組織はどんどん大きくなっていった。
ところが、これを乗っ取ろうとしたヴォンダが兄弟を騙して殺し合いをさせるという展開。
ヴォンダはリンボ・姉の上司にあたる人物です。地方検事ということですが、どこにもいるんだねぇ。こういう、「俺が世の中正しくまわしちゃる!」って野望を持つ奴が…。
この話はカルメンさん絡みだけあって、彼女がフルサークルというSNSを使いヴォンダ失脚となります。
というか、そもそも『ルイ・ロペス』の一員でもあり、フルサークルを作ったのも彼女自身だった!(驚)
ヴォンダの事件は世間でお騒がせとなったけど、何故か『ルイ・ロペス』という組織については誰もが口を閉じたままだったようです。
テウタたちはこの組織のメンバーや取引先の情報を持っていたけど、結局表に出すことはなかった。
大物たちがこれまで色んなものに便宜を図ったんでしょうね。でも、悪いことばかりだけじゃなかったようです。これによって救われた人もいたから。
アレックスたちは純粋に不法移民の人権を守りたかったんでしょう。
なぜならそれが彼等の『正義』だったから。
仲間が逮捕された時、殺されてしまわないようみんなでその様子を動画に録っていたという話には、なんとも言えない気持ちになりましたね。
今後この街がどのように変化していくのか。それはこの事件に関わった全ての人に問われた課題です。
少なくてもカルメンさんは答えを出してましたけどね。
『ルイ・ロペス』に関して。この真相にたどり着くまで、リンボたちがもっと大きく絡んでくるのかな?と思ってたんですが、そこまではいかなかったですね。
できればもっと具体的に『ルイ・ロペス』の活動内容と変化していく過程を知りたかった。イリーナさんが言ってた理想だと言う当初から、大きくなりすぎて一人歩した昨今まで。
カルメンさんとテオの出会いや、兄弟の過去など…。言葉だけじゃなくて回想シーンのような形で絵にしてもらえたら、もっとカルメンさんに共感できたかもしれない。
『AULD LANG SYNE』
ひとつ前の話の終わりで、フルサークルに投稿された「アダム・クルイローフは人殺し」
このメッセージを見て、「アダム、ついに来たか」と思った私。この真相を終えた今では、真実が必ずしも正解ではないんだな…としみじみ思ったわ。
冒頭からどこか違和感のあるアダム。話は上の『FULL CIRCLE』の続きだった。既に死んだはずのテウタの兄・ゾラが、何度も彼の目の前に現れる。
アダムは脳腫瘍で、サウリ先生からもう先は長くはないと言われていた。そして、ゾラはアダムによって殺害されたという事実。
公式によると、ゾラは元・警察官だったけど、理想とかけ離れた現実にすっかり病んでしまっていたらしい。
この日、実の妹・テウタを襲うつもりだったが、たまたま居合わせたルカに乱暴しようとする。
アダムはルカを助ける為にゾラを殺した。
死体はクルイローフに依頼し、そこで彼も『ルイ・ロペス』の仲間になったということだった。死体の始末を頼んだのは、彼の父親ってことになるんだろうか。
このへんは全てサウリ先生から聞いた話。
先生の話はまだ続く。
これまでの『ルイ・ロペス』のアレックスやアダムのこと。サウリ先生はこれら全てを知っていた。知っていたけど、何もしなかった。
サウリ先生、ずるい人じゃない?
テウタはジャーナリストという立場から「自分って偽善者なのでは?」と常に自問自答してきた。自分に出来ることがあるならなんとかしてあげたい!と、積極的に人に関わっていくタイプ。
傍観者を決め込む先生とは対照的だし、彼女が先生に怒りを覚えるのは当然かと思う。
先生との会話の中で「壊れたものが美しい」という話があったけど、ヘルベチカさんを見つけた時、死にかけた彼を見て「美しい」って思ったんだろうか。
先生が彼にきっかけを与え、どんな生き様が見られるのかを楽しみに育てていたのかと思うとちょっと複雑な気分だわ。
ヘルベチカルートの先生が、育ての親にしてはずいぶん達観してたように感じたシーンがあった。あの時の違和感がコレだったのかと、妙に納得してしまった自分がいる。
そしてアダムだけど…。
テウタのこと好きなのはプレイしててわかっていたよ。テウタが幸せなら、それでいいんだみたいなポジションにいるのも。
ただどうしてアプローチしないのか疑問には思っていたけど、この真相でようやく理由がわかった。この事件があったから、テウタを幸せにするのは自分じゃないって思ったんだろうなぁ。
脳腫瘍の治療をあえてしなかったのも、愛する人の家族を奪っておいて、自分が生き延びるという選択肢は無かったのかもしれない。
アダムとルカが6年秘密にしてきた重い真実。でも、これがあったから今の3人がいるのは紛れもない事実なんだよね。
それぞれが自分の正しいと思う道を選んできた結末だから、悲しいけど、これはこれで受け入れるよ。
もしゾラを殺していなかったら、この2人が一緒になっていたのかもしれない。
ラストはアダムの夢か幻か。彼がテウタと行くはずだったプロムの会話で終わる。その後、静かに眠るアダム。
エンディングといい、彼が一足先にこの世から旅立ったと思わせるような演出に涙が出た。
この真相は切ない。
これに尽きる。
真相を知って2周目行ったら、キツイだろうな。アダムがテウタを心配するたびに、この真相を思い出してしまう。
ラストは思いがけない終わり方で、ちょっと凹みました。
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2019/12/17 文化放送エクステンドへ画像使用を申請済です。