腐ったゲーム箱

SwitchとBLゲームのプレイ日記です。

BLゲーム Re;quartz 零度(Re零度)コノエアキラ フルコンプ&後日談ノベル ネタバレ感想

コノエアキラ攻略しました。

これにて本編フルコンプです。後日談ノベルも全て終えたので、最後の方に感想を上げています。

 

 


ネタバレの無しの全体的な感想としては。


サスペンス系と謳うだけあって、4人全て攻略して見えてくる真実までの過程が非常に面白かったですね。

明かされていく情報の中で、ありとあらゆる可能性を考察しながらのプレイとなり、気づけば夢中になって進めていました。

攻略キャラの人間性と、彼らの持つ感情の振れ幅によって出るセリフ。これの嘘と本当の見分けが、かなり難しかったです。

ただその中でも主人公のユニが良かった。奇跡の二つ名を持つサヴァンという割に、ものすごく人間らしくて。

サヴァンは神の御使いだとか、他殺で死ねないから最早人間じゃないとか…ゲーム中でいろいろ言われてますけど。私の中では1番まともな思考回路の持ち主であった気がする。

そんな彼が、攻略キャラと共に様々な世界線で起こす奇跡。

この奇跡はユニにとっては自身の選択によって起こる原因と結果だけど、相手によっては『奇跡』と思えるくらいの結末を迎えているんじゃないかと…。




4人全てのルートを終えた後に繋がる世界線が半端ないので、未プレイで気になっている方は是非ご自分の目で確認してみていただけたらと思います。

そして、できれば後日談ノベルまでプレイ推奨です。

もちろん本編で各キャラ話の結末はちゃんと迎えてますが、キャラによってはその結末の裏付けが少々弱いなと思えた人もいます。

ペン吉的には『オチてない』と表現してるんですけど。

キャラによってはその『オチてない』を後日談ノベルで補完できたので、可能であればセットでプレイしてみて欲しいです。




それと糖度はだいぶ控えめ。TRUE ENDはありますが、世間一般に言うHAPPY ENDではありません。

これはどのキャラにも言えるけど、エンディングまで漕ぎつけるまでにはいろんなものが犠牲になるので、その過程でよくやく迎えた2人の結末といった印象です。

ただ話のバックボーンはしっかり設定されているので、神話とかが好きな方にはより楽しめるのではないかと思います。


 

 

ここからコノエの感想です。


コノエの家は以前極東を治めていた五皇のひとつ。現当主の息子でもあり、有名なピアニストでもあります。ただし現在は腕のケガのため、演奏活動は休止している。

他の皇族の子孫が『教会』や『組織』の職に就いているものの、近衛家はどこにも属さない中立的な立場を取っているのですが…。

ユニからしてみれば1番関係性が遠いキャラかも。これまでは全員『組織』の中にいた人だから。

ただ『組織』の人間ではないからこそ、ユニが1番冷静に立ち回れたルートだったのではないかとも思えます。

これ以降はネタバレ。


 


Re;quartz 零度 <PCダウンロード版>

 

 

  

コノエ表『其は天才【天災】の所業』

 

ニジョウさん表⇒リオ表、という分岐を経てコノエ表ルートへ。

ここではコノエの正体と、ユニが極東支部へ呼ばれることになった原因でもある、失踪したサヴァン【白猫】について明かされていました。

やっぱりコノエは双子だった。

共通ルートでユニが何度かピアノのある部屋を訪れコノエと会っていますが、時に随分と違う印象を受けていたので「これはもしかしたら?」とは思ってました。

ただこの表ルートのコノエが、実は『影』側だったという。おぉう。

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それと、船に乗った理由は失踪した【白猫】との取引だったらしい。

うーん。これって【白猫】の失踪を手伝うから、【奇跡】に会えるチャンスをもらったってことでよいん?

コノエはニジョウさんのルートでも【奇跡】を欲しがっていたけど、それってサヴァンの蘇生能力を知るための実験体が欲しいからだよね。

仮にその能力値を知って、何に生かそうと思ったんだろ。単に興味から知りたかっただけなんだろうか。結局ここはわからんかったな。

そして【白猫】ですが、彼も五皇である九条家の生き残りだったんですねー。

【白猫】もマナルートで出てきたミズカミ君も、前作の『Re;quartz』に登場している。私は未プレイのため2人の関係性はよくわからない。

これは前作プレイしている人なら、話が繋がってより楽しめたのではないでしょうか。

 

 

コノエ裏『終焉【終演】・忘れじ最悪【災厄】』


ピアノを弾く方が兄で、弾かない方が弟。
弟はサヴァンでもある。

五皇が家を絶やさないために子孫を残すことに強い拘りがある中、近衛家でもそれは例外ではなく。

どちらかが死んでしまっても片方が残れば家は続くという理由で、彼等は2人で1人という人生を歩むことになった。

ただし正当な後継ぎは長男となるため、順当にいけば兄が次期当主となる。

そんな兄はピアノで名を馳せる人物でもあったので、弟が自分を『影』だと称するのは、ごく自然な成り行きだったのかと想像はつくけど。




2人が1人として存在するために、どちらも制限を受けて生きてきたことを思うと、いたたまれない気持ちになりましたね。

自分以外で自身の存在を認めてくれるのは2人だけ。兄弟という絆もありながら、やはりどこかで「兄もしくは弟がいなければ…」という憎しみもあるわけですよ。

兄に至っては、弟が乗った車に細工して、事故を装い殺そうとしていたくらいには邪魔だと思っていたのも事実としてあり。

その代償として、兄の手首を切りピアノを弾くことをやめさせる弟。

ただ、今回リセットの上書きをそそのかされたものの…。

リセット解除にはどちらかが死ぬことが必要だとわかったときには、これを機にどちらも自らの死を選ぼうとしている。

もうこの時点で切なさすぎて参ったペン吉です。



ちなみに、ルートの中でこんなのが出るんだけど。


サヴァンの弟を自殺させる』
『紐付けの兄を殺す』


選択肢が鬼畜過ぎる!




そしてまた衝撃的事実が明らかに…。

船で最初にリセットを起こしたのはユニとマナですが、このリセットを起こさざるを得なくなった理由が、やっぱりニジョウさんの死でありまして。

そのニジョウさんを殺したのがユニっぽいです。

また私騙されたってこと?

『会議』の要人。つまりはニジョウ父を暗殺する任務で、どうもオトンを捕らえたときにひと悶着あったみたいですね。詳細は明かされてませんが…。

このときユニの様子を見てたコノエ弟の話では、ニジョウさんの裏切りを知ってユニが殺したんじゃないかってことらしいです。

ユニとしては、オトンがいるからニジョウさんが『会議』に縛られていると考えていたようで、彼さえいなくなればニジョウさん解放される!と思ったみたい。

ところが、リセットを起こすために犠牲になったオトンは歴史上から抹消。『伺候』は辻褄合わせでニジョウさんがやることに。

オトン殺しても、結局裏切られることには変わりはないってことだな。

ただオトンは強制的に【奇跡】を支配しようとしてたけど、ニジョウさんはあくまで合意の上で『会議』側に連れてこようとしてた。

出会った当初、「これが【奇跡】とは嘆かわしい」と感じていたのに笑ったけど。

ニジョウさんの中では【奇跡】なんて呼ばれるサヴァンすごい!と思っていたんでしょうけど、意外にちょろくて実はものすごく人らしい部分を持っていることに驚いたんじゃないだろうか。




コノエに戻りますが。

あれだけユニが「俺が始めたことだから、自分でケリをつける!」と言っていたのに、救える命はコノエ兄か弟だけという厳しい現実。

2人で1人を演じ続けることなんて土台無理な話なんだよ。

家の繁栄や存続に拘った結果、この兄弟が心を蝕み最後はリセットの犠牲となるという…。なんともやるせない結末です。

しかもリセットだから、ピアノの兄が残った場合、弟の存在すら覚えていませんからね!

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上のスチルは弟が自殺を選んだ時のシーンです。お別れの挨拶のチューですけど。普通はね、BLでキスシーンと言ったらキャー!ってなるものなんですよ。

それなのにこの寂しくて切なくて苦しいキスシーンって…。




なんなん!?




それでもコノエ裏ルートが1番平和だと思える感。

マナもニジョウさんもリオも息災だし。コノエの家はあくまで中立で、ここでは『組織』と『会議』の大きな動きもない。

支部長の時なんか、リセット解消するために船ごと爆破してましたからね。相変わらず強引すぎ。あれはだいぶ周りから反感買ってたよ。

唯一犠牲になったコノエだけど。

片割れの損失は、きっとユニが少しずつ埋めていってくれるような気がする。 



極東地区の情勢については、ユニがコノエと繋がれば、ニジョウさんが『組織』に反旗を翻すきっかけは遠くなったと思っていいかもしれない。

【奇跡】を交渉材料にはできなくなったし、近衛家の協力が得られるかも怪しいところ。このタイミングで『組織』から離反するのは自殺行為に等しい。

兄が生きてた場合は、ピアニストとして再始動してるけど五皇復活には興味なさそう。

逆に弟が生きてた場合は、ニジョウさんに後ろ盾する必要もなくなったしね。ユニのことは、自分の秘密を知る唯一の友人となる日もそう遠くない気がする。

 





このあとは後日談ノベルの感想を簡単に載せています。 

 

  

 

後日談ノベル【ニジョウ】

 

ニジョウさんの場合、ゲーム本編の前に出ている紹介本『極東支部 調査報告書』と後日談ノベルで、ようやく彼の心情が見えてきました。それだけわかりにくい。

もうね、この人が1番わからなかった。

裏ルートでは、最終的に全部捨ててユニを選んだ。この事実が全てを物語っているんだろうけど、そこまでに至る過程はやっぱり知りたいですよ、私としては。

父が生きていた頃は「どんな手段を使っても【奇跡】を籠絡しろ」と言われ、父がいない世界では支部長から「君は【奇跡】を抱けるか」と問われる。

籠絡するつもりが、むしろニジョウさんの方がハマっていたと思える雰囲気の後日談だった。

紹介本で支部長から「身体が、心を裏切ることの方が遥かに多い」と言われていたけど、まさに身をもって知ったんじゃないだろうか。

でもね!身体だけじゃないんです。

個を殺して使命のためだけに生きてきた毎日だったけど。ユニと過ごした数ヶ月の中に、彼がニジョウさんの心に触れてくる瞬間が確かに存在していたのがわかった。

ちゃんとユニの言葉は届いていたんだなーって思えたから、それだけで充分です。
 

 

後日談ノベル【マナ】

 

終わってみれば、マナが1番BLっぽかった。

後日談でもリセットは続いている。

いつかは自らの生命が尽きて終わりを迎えることを承知しているマナ。2人で過ごす楽しい時がこれほど切なく感じるとは…。

ユニがマナの全てだったように、ユニもまた自分の辛い過去をマナに背負わせてしまっている。ただマナにとっては、これすらも自身の存在意義と捉えているようですけど。

これまでは常にユニの意思を尊重してきたけど、ニジョウさん絡みでユニの記憶が飛んだ時は、全ての真実を語っていたわけじゃないんですよね。

自分の言葉ひとつでせんぱいが何を思うか、どう動くのか。それ考えた上で接しているところがマナらしいというか。

それとマナが外の神を呼ぶための『めじるし』であったなら、神に通じるという点において、彼が1番それに近しい存在だったのでは??なんて思えてしまうんだけど。

『組織』では異教徒の信仰を理由に【穢レ】なんて二つ名までついたけど、実はものすごーく神聖なる者だった…とかね。

ユニもマナもまだ小さかったから、世界に翻弄され犠牲となった人生だった。

でもこの2人が出会って、今もこうして一緒に過ごしている。もしまだそこに神さまがいるのなら、彼等が生きた証を覚えていて欲しい…。そんな風に思えた後日談でした。
 

  

後日談ノベル【コノエ】

 

後日談、どっちがくるのかなーって思ったら弟の方だった。でも兄も気になる私。

コノエ兄弟が住んだ屋敷を売却することになり、その片付けをユニが手伝いに来た話だった。

コノエ弟は相変わらずニジョウさんとは裏で繋がっているようです。ただ近衛父は五皇の中で勢力を拡大させたいという思惑はあるみたいですね。

いくらニジョウさんが『伺候』の意思を継ぐ者であっても、『組織』にいる以上は表立った活動もできないだろうし、名ばかりのトップでは他の家を統べるのは厳しいだろうね。

このままいけばコノエ弟が後継ぎとなるけど、兄のことや自分の取るべき行動については、まだ心の整理ができていないようだった。

家族の他に兄のことを知るのはユニだけで、やっぱり時にはこうして顔を合わせて会話したいんじゃないかな。引越しの手伝いはその口実なのかも。

ユニには、「組織にいながら反組織勢力である自分と繋がりを持てれば有益なハズだ」的なこと言ってますけど。素直に「これからも会いたい」って言えばいいのに(ニヤニヤ)

ユニ自身は、そういうのは無関係にコノエとの関りを続けたいようだった。

「だから、いいよ。お前が必要とするなら、この命、適当に使ってくれて」

多分これ、自分がしでかしたリセットで兄を失わせてしまった贖罪からきてるんだろうなー。

それぞれが『組織』と『会議』にいる限りは、いずれ勢力争いに巻き込まれていくんでしょう。その中でも彼等の縁によって、また違う未来へ向かう道もあると願わずにはいられない、そんなお話でした。 

 

 

後日談ノベル【リオ】

 

この人だけは最後まで報われなかった。

次に転生して出会えたのは、現代の渋谷。サヴァンは存在しておらず、昔ユニだった『彼』は学生。かつてリオだった『男』は二回りほど年が離れているとあった。

ここではものすごく『彼』に怪しまれてて、苦しい言い訳する『男』の姿に思わず笑ってしまった。

後日談では本編では叶うことのなかった、ユニだった『彼』と桜を見ることができた。

「本当はただ隣りにいて欲しかった」

そのセリフと聞いたとき、どうしてもっと早くそれに気づけなかったのかなと思いましたね。

失敗したら繰り返せばいいと思っていた代償なのか、ユニを通して『彼』しか見ていなかったリオの驕りか。

幼少期のユニを苦しめてきたのは、紛れもなくリオなんですよ。それなのに、私としてはどうしても憎いとは思えないんですよね。

ユニを愛していたことは真実であって、救世主としての生を終えた後は、その愛を叶えるためだけに生きていると言って過言ではないので。

ただ今となっては、何もかも遅すぎた。

といより、もともと彼らが交わる世界線自体が存在していないのでは?とも思えるくらい噛み合ってない。

リオが使命とすら感じていたユニへの執着。できることなら早くこの縛りから解き放たれて欲しい。でないと私がキツイ。 

 

 

 

ゲーム全体を終えてみて

 

支部長が「繰り返し過ぎたサヴァンには記憶の混濁が起こる」と言っていたけど、混濁なんて曖昧なものじゃなかったよね。

明らかに必要な『記憶』として描かれていたと思うんだけど、これって外なる神さまから与えられたものなのではないのだろうか。

コノエのルートでは、ユニが神さまの存在を察知して、この世界のことを自分の必要な時に教えて欲しいとお願いをしているし…。

外なる神さまの話はリオとコノエで目立って出てくるようになったけど、マナが神さまを呼ぶ『めじるし』だということに関係してるの??

マナルートで、血濡れになってシャワーで流そうってなった時、そんな話をしていたので。




リオとコノエルートでは、外なる神がユニの行く末を気にかけ、またとある場面では彼を生かそうと明らかに干渉していたシーンがあった。

リオの後日談からもわかるように、転生してもユニの魂はどうやっても不幸な人生を歩んでいる。外なる神は、そんな不幸な人生を繰り返すユニの魂を解放させたかったのかな。

マナの背中にあった『しるし』には外なる神を呼ぶ力があって、そのとき唱えた文章の中に輪廻を断ち切る術があるようなことを言ってた。

つまりは転生しても不幸なら、そうならないように輪廻を断ち切ってしまえって…。神さまが考えるユニが幸せになる方法は、こういうことだったのかね?

そう考えると、マナこそが神から遣わされた『御使い』のようにも取れるんですよね。仮にそうなら、マナの使命はせんぱいが幸せになること。

あれだけ盲目的にユニを慕う理由にも納得がいくし。2人が出会うのは必然だったんだろうなとも思える。




それでもユニが選んだのはイバラの道だった。

リセットが起きている船の中でユニが神さまに願ったのは、自身が忘れてしまった誰かのことを覚えていて欲しいということ。

こうしていろんな世界線を生きたユニだけど、その結末は決して易しいものではなかった。

それでも本来通るべきだった歴史は、彼の行動によって姿を変え、別の未来へ向かう奇跡を起こしているのが裏ルートだった。

私には、自分が幸せになる未来よりも、自身に関わった人に救いとなる道を示しているように見えるんですよね。



【奇跡】

ゲームを終えてみれば、彼がそう呼ばれる所以は確かにあったと言えるんじゃないだろうか。

貪欲に愛を欲しがっていていた彼は、何より神さまに愛された魂だったから。 





最後に…

 

すぐ上の文章は私の勝手な妄想です。制作者の意図する設定とは違うかもしれません。それでもここまで考察したくなるほどの濃い内容だったので、本当に面白かった。

このゲーム、奥が深すぎるわ((((;´・ω・`))))フルフル

 

 

※ゲーム画像の著作権はB-clusterあります。二次転載禁止です。

 

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