腐ったゲーム箱

SwitchとBLゲームのプレイ日記です。

東京24区 ドラマCD 蓼丸一貴編『ONE to ONE』 ネタバレ感想

蓼「制御できなくなって、あなたを壊してしまうかもしれない」

 


はい。
24区ドラマCD、ついにラストの蓼丸編です。

毎月ドラマCDとSS届くのが楽しみでしたが、それも終わってしまうんですね。ちょっと寂しいですが、絶対FD出るぞ!という希望は持ち続けていたいと思います。




 

ここからCDの感想。


 

晟尋の幼馴染で秘書でもある蓼丸。

ゲーム中では自身をモンスターと称していましたが、どうしてもそちらのイメージが強かったんですよねー私。

彼絡みのBADエンドが、インパクトありまくりでしたからねぇ。

ただゲームを進めていくと、晟尋に対しては非常に臆病な一面があるとわかります。

あの悪魔っぷりはどこへ行ったのかのかと思うほどに。

最終的に晟尋より、秘書としてではなく野党側から政治家として立ち、共に活躍することを望んでいると告げられますが…。




ストーリー的には、「俺とお前で同じ土俵に立ってこの国を良くしていこうぜ!」って感じで終わっていますが、これ蓼丸にとっては完全にイバラの道。

晟尋の有能な秘書として傍に置くより、いずれ二大政党制を目指す野党の信頼できる人物である方が、よほど現実的な選択ではあると思う。

が、しかし。

口で言うのは簡単だけど、実際問題としてそこまでたどり着くには様々な困難を乗り越えていかなくてはならないわけで…。

環境の変化というよりは、蓼丸自身の気持ちが追い付いていない。とりあえず身体は繋げてはみたものの、心はどこか繋がらない…というんでしょうか。

今回のドラマCDでは、まさにここが焦点となったお話でした。

蓼丸の恋愛に関して言えば、このCDでストーリーが完結していると言ってもいいのではないかと思うくらいです。

蓼丸好きな方には、是非聴いて欲しい。



ここからネタバレとなります。



 

東京24区 ドラマCD vol,4 蓼丸一貴 (仮)

東京24区 ドラマCD vol,4 蓼丸一貴 (仮)

  • 発売日: 2020/10/30
  • メディア: CD
 

 



自分のことになると、かなりネガティブ思考な蓼丸。

以前どこかの記事にも書いたような気がするけど、どうして他人にはあれだけ機転が利くのに自分のことはこんなにも不器用なんだろうと…。

晟尋と同じく、彼も人の変化を見抜く力が非常に高い。それ故に自身に求められているものを瞬時に察する。しかも具体的に。

晟尋が絡むとこのハードルが途端に高くなり、気づけば勝手に自分でどんどん釣り上げている気がするんですよ。

秘書の立場では対等にはなれない。自分が一人前の議員になるまでは晟尋から認めてもらえないんじゃないかって。

始まりがアレだから素直に「両想いだ、わーい!」となれないのはわかるんですけどね。




今回は父の緊急入院もあって、いよいよ本格的に父の地盤を引き継ぐ決断と行動を迫られる蓼丸。

ただし、父のいる野党では蓼丸の入党を快く思っていない人がいることも事実としてある。そりゃ、敵対してる党の元秘書を受け入れることに抵抗があるのは最もでしょう。

父の地盤を引き継げても、世襲を制限する「3年は選挙に立候補できない」という党の規約があるらしく、蓼丸が議員になるには長い道のりとなってしまう。

そこをなんとかしようと蓼丸の入党を渋っている中心人物、幹事長の大川氏を口説きにかかる蓼丸ですが、もともと父と大川氏の折り合いが悪いのもあって事態は難航。

ここで先生の出番となるんですけど。その前に…。





私、もう蓼丸の愚直さが可愛くて可愛くて。

晟尋を惚れさせるにはまずは、まず議員になって同じ立場になること。話はそれからだ!なところが。

ぶっちゃけ大川氏は、毎晩自分に頭を下げに来る蓼丸を完全に見下し優越感に浸っている。蓼丸もそれは承知の上で通い詰めています。

なりふり構わず、どんなことをしても正攻法で頼み込んで認めてもらおうとする姿がキタよ、これ。

恐らく晟尋が動機じゃなかったら、もっと別の方法を考えると思うからさ。きっとゲームをプレイした姉さんたちなら、その怖さは十分知っていると思う。

ホント、蓼丸って晟尋がウイークポイントなんだなーって改めて思った。




で、蓼丸と一緒にお願いしに行った晟尋が土下座!!

それでもなかなか首を縦に振らない大川氏に、ついに先生が切り札を出してきた。

親の地盤を引き継いだら3年は立候補できないという規約があるにも関わらず、実際世襲制限を受けなかった人がいますよね?と3名の実名を挙げる。

しかも大川氏が相談役をやっているエネルギー会社の株主がその3人であること。

大川氏が甘い汁吸ってんのは、この3人のお陰かもしれないよねぇ。だから見返りに世襲制限を適用しなかったんでしょう。

あげく、この会社。天然ガスを入札なしで発注しているという事実。独占禁止法の抵触まで突っ込まれ、たじろぐ大川氏。

公になったら間違いなく株価は暴落し、自らの責任も問われる…というより、利権絡みならどちらにせよ大川氏の政治生命は終了ですね。



総理から得たこの情報。

確かに困ったら私に連絡しろと言ったのは総理だけど、むしろこれだけの情報を2人のために…というより、今後の日本を思えば教えることが妥当だと判断したのだろうか。






肝心のエロシーンですが。

これ肉体的には蓼其だけど、精神的には其蓼に聴こえるわ。

蓼丸がこんな風にこじれたのは、「アイツなら何でもわかってくれる、言わなくても伝わっている」と勝手に思い込んでいた自分のせいだと途中で気づくんですけど。

そのせいなのか、先生からより具体的なエロの指示が飛び、それによってもたらされる快感をストレートに伝えて蓼丸を煽りまくる。

ここがやたらエロくて参った。

突っ込まれているけど主導権握ってるのはやっぱり先生って、割とどのキャラでもそんな節は感じるんだけど、私だけじゃないと思いたい。

そしてまさかの潮吹き!

ペン吉は、男性も潮を吹くということを初めて知ったのだった。

確かタイガ編ではメスイキしてて、今度は潮か!先生の身体が毎回すごい事になってて興奮して拝聴させていただきました。





エロいんだけど、何より晟尋にすべてをぶつけて、自分が愛されているんだと実感できた蓼丸の姿に感動した。「本当に良かったなー蓼丸!」って心から思ったよ。



それと今回、総理と蓼丸父・大延氏の関係性が好きな人も楽しめたのではないでしょうか。

私は完全に自分が『腐』と自覚しておりますので、もう総理と大延氏はBL100%で問題ないだろうと思っています。


 

 

 

これ以降は特典SSの簡単な感想です。

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公式特典『ONE to ONE 前夜』

 

うはー。

最後の最後に公式がガッツリエロエロシーンを届けてくださいました。

タイトルの通り、このCDのトラック1の前夜ってことだよね?

私から言わせれば、どうしてここまでのセックスができて、晟尋の心が自分にないと思えるのが不思議なくらいだけど。

これまでずっと近くにいてなんでも知っていはずなのに、肝心なところは見えてないものなんだなーと。所謂これが恋をした男が陥る盲目さというものなんだろうか。

晟尋が背中が弱いからと背後から繋がる体位も、実のところ相手に自分を見て欲しくないからのもので…。

他者の心を読むことに長けている晟尋なら、すぐに蓼丸の不安を察知してくる。

これ以上は溺れてはいけないと自分に枷をかけている姿がなんとも痛々しい。

幸せになる選択肢をよりも、あえて苦労な方を選んでしまうのは性分なのかなとしか言いようがない。



早く気づいて欲しい。

晟尋は蓼丸の全てを受け入れるだけの人物であることを。そして互いの立場など関係なしに蓼丸という男を愛していることを。


そんな気持ちになって読んでました。

 

アニメイト特典『Morning kiss』

 

これは意外な蓼丸の素顔が!


端的に言うと蓼丸は…

超低血圧で超冷え性だった。



晟尋が笑っていたけど、私も思わずニヤってなった。

朝から夜まで常にビシィィィな神経質メガネ属性なのかと思ってましたよ。これまでずっと傍にいた晟尋ですら全く気づかなかったなんて。

SSはこのドラマCDラストの翌日という設定ですが、珍しく蓼丸より先に目が覚めたからこそ気づいた事実。



蓼丸の寝起きはめっちゃ不機嫌で、低血圧だからあと30分は使い物にならないって言われたときは「天は二物を与えず」とはまさにこのことだと思ったね。

こんな姿を晒さないよう学校の修学旅行では、寝ないか、あるいは起きる1時間前にアラームをセットしてたらしい。晟尋の家に泊まったときも同じく…。

寝不足には強いけど寝起きと寒さにはすこぶる弱いって、蓼丸も普通の人間なんだなと思ったわ。

晟尋にはそんな姿を見せたくなかったんだろうけど、今回ばかりはさすがにどうしようもなくて「がっかりしたか」と問う蓼丸。

「残念ですが、私は朝、この有様です…冬なんかもう、全然ダメダメです…かっこいいダーリンみたいなことできません…」

って。
ここ、ブッファーってなった。

これはカワイイ蓼丸。
ギャップ萌えのあるあるだった。

 

ステラ特典『Tears for oneself』

 

蓼丸視点です。
これどんなSSにも言えるんだけど、相手視点のSSは格別だね。

いつもは主人公を軸に物語は動くので、相手の言動だけでキャラの気持ちを推し量るしかできない。

攻略キャラから語られる思いは、それだけで貴重なものだと思うのです。

しかも今回は、15年前まだ学生だった頃。晟尋の母が亡くなった時のことが取り上げられている。

それまでただのクラスメイトだった晟尋が、どうやって蓼丸の中に入り込んできたとかそういうの。

ゲーム中の、幼馴染であるからこその強みと、微妙な距離感。他のキャラでは絶対にできない唯一の設定は蓼丸の特権です。



本音を言えば、学生時代に晟尋とどんな風に過ごして、どんな風に惹かれていったのかを知りたかったので、そうした意味ではこのSSは嬉しかったですね。

そして15年の歳月をかけて得た晟尋の愛情。

蓼丸が「このよろこびが途方もなく重い」と表現しているように、自らのために涙を流すことで、初めて自分自身を許した瞬間でもあったわけですよ。

これは嬉しいけど、重くて切ないな。

ドラマCDによって、2人の間が本当の意味で結ばれたと思っていますが、そこにこのSSって反則じゃない?

ペン吉も思わずホロリときた。

 

ドラマCD購入特典小冊子『それからのふたり』

 

本当はひとりひとりの感想を書きたいけど、そろそろ疲れてきたので全員まとめて。

ゲーム本編の終わりがあっさりだったので、このドラマCDとSSで是非セットで読んで欲しいですね。

SSはどれも笑顔で読める内容でした。

同時に、24区はここで一段落ついて終わったなーという気持ちが強い。寂しさもありますが、大きな物語が完結した満足感はとても大きいです。

FDまでいけば本当に嬉しいですが、また新作も期待しています。新作いくなら『New World Order ~天上の銃弾~』を是非お願いします。


 

 

以上、特典SSの感想でした。