腐ったゲーム箱

SwitchとBLゲームのプレイ日記です。

BLゲーム スロウ・ダメージ 真相ルート 考察とか まとめ的なネタバレ感想 スロダメ

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スロダメ、フルコンしたのでまとめ記事となります。



ボブゲもついにここまで来たか。

これ、スロダメをプレイ最初に思ったことです。私の中でキラルは『常に新しいことに挑戦してくるブランド』、というイメージが強い。

ゲームは、シナリオ・絵・キャスト・音楽・システムなど、様々な要素が組み合わさって1つの作品になっている。

どれか1つが主張してくるのではなく、ゲーム全体のバランスがシビアに調整されて仕上がっているなと強く感じました。


例えば…


ゲームを立ち上げたメニュー画面の雰囲気。
物語の導入から感じられた独特の世界観など。


これから一体どんな物語が始まるんだろう…そういう期待感が否応なしに上がってしまう。作り手のこだわりが細部にまで行き届いた作品だったと思います。

こういうの本当にうまいよなー、っていうのと同時に安定のキラルだよなって。

広報も大手だけあって隙がない。潤沢に宣伝できるパワーのあるブランドは、やっぱり強いなって思ってしまう。

ラマダではファンディスクの実績もありますし、もしスロダメも出るなら是非プレイしてみたいなと思ってます。



今現在、公式から正式発表になったのはスピンオフが出るとのこと。

 

スロダメで出ていた小太郎・マユ・エイジは登場するみたいですね。新神海の実態を別の視点から描いたお話。まだまだこの舞台の余韻を味わいたい方には朗報じゃないでしょうか。



それともうひとつ。

私がこのゲームを評価したいのは『わかりやすい』ところ。

誤解しないで欲しいのですが、スロダメが単純なストーリーだと言っているワケではありません。

昨今のボブゲって、設定や話の展開が複雑なタイトルが増えてきていると思うんですよ。1周しただけでは、なかなか話が掴めないというか。

その点、シーン毎にプレイヤーに伝えたいメッセージが絞られているので、消化しながらゲームを進めていくことができるんです。このへんは制作者側のセンスもあるかと思います。

もちろん周回すれば、もっと色んなものが見えてくるのはどのタイトルにも言えることなんですが、1周目でも十分物語を楽しめることができる。

これってすごく大事なことだと思うのです。

私自身が難しいものよりわかりやすい方が好みだっていうのもあるんですけどね。このへんは個人の差も出てくるでしょう。

今回スロダメをプレイしてみて、プレイヤーの立場になって制作されているのを強く感じたので、あえて記事にさせていただきました。




スロダメは普段ボブゲしない方も気になってる、プレイしてみようなという方がたくさんおられるのではないかと思います。

今私から言えるのは、初回限定版があるうちに購入しておいた方がいいですよってことですね。PCスペックは要確認ですが。

ここに各キャラエンディングで使用されたボーカル曲が収録されたCDが付いているのでが、恐らくこれは後から販売はしない気がする。

キラルのボーカルCDって個人的に貴重だと思っているので、せっかくならゲームとセットで入手しておいた方がよろしいかと思います。

トワくんの(超ドエロな)学生時代のカラー挿絵が入ったSSも同梱されていますので、通常版に切り替わる前に是非お手元に…。


 

 

 

それではここから先は真相ルートや、私が個人的に感じたまとめとなります。ネタバレを盛大に含んでおりますので閲覧ご注意ください。

 

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最初に。

藤枝のルートで明かされたトワ母の摩耶という人物について。

鷹郷組組長の愛人で、その間に生まれたのがトワ。やっぱりというか、組長との間に『愛』というものは存在していなかった。

人の願望を察する能力はズバ抜けている彼女のことだから、意のままに操ることはそう難しいことではなかったんだろうと思う。


euphoria』は摩耶の店の名前でもあり、意味は多幸感だそうです。文字通りここを訪れた客はさぞかし幸せな気持ちになったんでしょうね。

藤枝エンディングでは、摩耶の日記の最後に「自分の中に非情な怪物がいる」と記されていました。

結果的に彼女の中に棲む怪物が大活躍して、鷹郷組へ莫大な金が流れたんでしょう。

でも、金や自分の衝動を満たすためだけにこの店をやっていたのか?と問われると、それだけでもないような気がする。



私としては、摩耶自身が幸せになりたかったからじゃないのか?そんな風に思ってます。

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人を幸せにしたら、自分も幸せへ近づけると思ったのか。この店の幸福感はだいぶ行き過ぎているものの、人によってその願望は一様ではないですしね。

摩耶がどんな子供時代を送ってきたのかはわかりませんが、最初は誰かの『愛情』が欲しかっただけなのかもしれない。


誰かに愛してもらうために。
この新神海で生きていくために。


摩耶が誰か寄り添えるような人を望んでいたのは日記でもわかったんですが、結局はそれより人の心を掌握する彼女の欲が勝った。その欲こそが『非情な怪物』の正体だったんじゃないかなと推測してみました。

euphoria』という店をやることで、実質彼女が新神海を制していたと言ってもいいのかもしれない。榊󠄀のあの入れ込みようを見たら、鷹郷組自体が摩耶を頂点へ押し上げたように見えますし。

彼女がここで生きていくためには、もう後戻りはできない状況だったのかな。だから息子にも自分と同じ、生き抜く術を与えようしたんじゃないだろうか。




トワにとって母親絡みで救いだったのは、この日記で『自分が愛されていた』のを知れたことだと思う。

実際は愛されていた実感もないだろうし、むしろ摩耶の行いで身体や心にも大きな傷を作ってしまった。

それでも彼女がトワに対して苦悩し、必死に孤独と戦い続けた記録を目にして何も感じないわけがない。

これがどれだけトワにとって大きな影響を与えたのかは、ゲームをプレイされている方ならご存じかと思います。

 

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スロダメは随所に相反する描写や感情、セリフが散りばめられていました。

一見華やかに見える新神海にも影があり、鷹郷組の強い支配に反感を抱きつつも暗黙のルールの中で均衡が保たれていた。

住みにくい街なのかと思いきや、実は誰でも受け入れてきた懐の深い場所でもある。

自分がこの街に適応しなければ生きていけないのなら、時にはそうした道を選ばざるを得ないでしょう。

ラストは鷹郷組の支配が終わり、新たな時代の幕開けとなりました。

何かのきっかけで人の心にも新しい風が吹くならば、変われるチャンスは必ずやってくる。そんな風に思えた真相ルートだったと思ってます。




それと各キャラのエンディングについて。

前回、藤枝感想の冒頭でも触れたのですが…

藤枝幸福エンドがどうしても大団円的な位置づけに見えてしまう。

他キャラにはないような演出とかエンドロール仕様など。明らかに力の入れっぷり違うよね??

他キャラについては、これはこれでトワが選択した生き方なのは理解できるんですよ。

それでも考えてしまうのです。

もしトワが他のキャラで母親の記憶を取り戻すことができたなら、どんな結末になっていたんだろう…って。

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過去を思い出したからと言って藤枝エンドのようになるとは限らないし、むしろあのルートは藤枝だったからああなったとも言えるんですけど。

それなら斑目なんて、もっと個別エピソード盛って欲しかったなーって。せっかく加賀という美味しいキャラがいるのに、アレでおしまいとか勿体ない。

斑目は加賀のこと煙たがっていたけど、組の中じゃまだまともな奴だと思っていたんでしょ?それなら、鷹郷組を潰しに来た理由は「自分がそうしたいから」だけじゃない何かを感じたかった。

このあたりは私が過剰に期待してしまった分もありますが、ライナーノーツ読んだらいろいろ消化できたのでこれ以上は言いません。

プレイヤーの数だけ感じ方が違うように、トワにとっての幸せも同じことが言える。

客観的に見て良い・悪いではなく、そのキャラにおいての幸せとはなんなんのか。これに注力したストーリー展開だったんだなと理解しました。

いつ死んでも構わないと惰性的に生きてきたトワが、各ルートでは一緒になったキャラと生きる意味を見つける物語であったと解釈しています。



ゲーム開発においては非常に厳しい環境だったようで、そんな中これだけの作品を作り上げることは本当に苦労なさったのではないかと思います。

発表から随分時間が経っていて、一時は本当に発売されるのかなと思っていた時もありました。

それでも動き出してからは一気に進みましたよね。あの勢いはすごかった。

今後はスロダメで様々な展開があるかと思いますが、私としてはFD制作発表があることを期待しています。

以上、スロダメまとめでした。

 



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