BLゲーム 神学校-Noli me tangere- 感想3 ニールルート ネタバレ
神学校、ニールルート終了しました。
前の学校で暴力沙汰を起こし聖ヨハネ神学校に来たとウワサの不良少年。校則違反の常連者なのに、何故か退学にはならないという不思議な人物だった。
人柄は不良少年とウワサされている割に、面倒見がいい気さくな兄ちゃんといった感じ。そもそも悪魔崇拝の秘密結社『赤蛇の土』への入り方を教えてくれた人が、ニールその人だったのだ。
彼自身も『赤蛇の土』のメンバーで、前回のレオニードルートでも何かとマイケルを気にかけ助けようとしてくれていた。何故入社方法を教えてくれたかは、今回のルートで明らかになる。
徐々にマイケルが好意を寄せていく中、ニールが取った行動とは…。ちゃらんぽらんな奴かと思ってたら、ものすごく真摯な人だった。
これ以上はネタバレになるのでご注意を。
『バレなきゃいいんだ、バレなきゃ』
これ、ニールの家に代々伝わる家訓のひとつらしいのですが、この後「もういいよ!」ってくらいたくさんの家訓を聞くことになる。
これらの背景には、親・親戚・兄弟・ペットと賑やかな家族構成を思わせる話が出てくるので、ずいぶん楽しそうな家庭なんだなーと思ってました。
ところがその人たちは既に全員他界していたという事実。しかも5年くらいの間に次々と亡くなり、ニールは孤独な人だったのです。
私、このシーンで泣いたよ。
マイケルも泣いてたけどね。
私も切なかったよ。
彼、ちょっとした昔の思い出話をするみたいに軽く話すんだけどね。この領域までくるまでにどれだけのものを乗り越えてきたのさ!って…。
マイケルにしたら、彼も自分と全く同じ境遇であったということになる。自分がこれだけ悲しいのだから、彼が悲しくないわけがない。
ニールから「…泣いてくれてありがとう」と言われ、(´;ω;`)ブワッとなりました。いや、私に言ってるんじゃないのはわかるんだけどさ。こういう家族が亡くなるって話にはめっぽう弱い私。
彼は別の神学校の生徒だったのですが、簡単に説明すると。
親族全て他界→荒れに荒れて→暴力事件起こす→その相手が牧師→牧師はニールを許し面倒をみてくれる→ニールいずれ牧師になる、という流れ。
なんと彼、生徒ではなく26歳の牧師だったのです。
「生徒に変装して秘密結社を調査、そして秘密裏に潰せ」という依頼を受けて、マイケルの学校に来ていたのでした。あぁ、だから学生らしからぬ言動があるのか、と納得。
ニールは結構簡単に、マイケルへ『赤蛇の土』の入り方を教えています。事故の真相を調べようとしているのがわかったのと、家族を失ったばかりであるマイケルの気持ちを汲んでのことだった。
なにかあったら自分が守ればいいって思ってたんでしょうねぇ。だから他のルートでもニールが必死にマイケルを止めている。ただ、やはり後悔はしてましたけど。
そして遂にマイケルがニールのことを好きな人、愛する人として意識するようになるのですが…。マイケル本人が気づくより前にニールはそれを察し、先手を打っていく。
それは『予言者ゲーム』でマイケルがルシフェルから受けた予言「愛する者を自ら手にかけるだろう」を阻止するため。全ては「マイケルを悲しませたくない」という思いからきている。
マイケル自身も、ニールが自分のためを思って遠ざけているのは理解できてるんです。それでも、好きだという気持ちはなかなか抑えることができない。
溢れる想いをどうしても止められず、ニールに何度も「好きだ」と訴えるマイケル。まだまだ子供だなと思える行動にも見えるかもしれないけど、私は全く嫌な感じはしなかった。
むしろこれほど心を打つ告白に、ニールがよく耐えているなと思ったよ。
でも、ここからがニールのすごいところ。
秘密結社が解体し、最終的には遠く離れた自分が受け持つ教区へ戻るのですが、この時マイケルに手紙を残している。そしてこの手紙で、またしても私の目頭が熱くなる。
自分の幸せを願ってくれたように、お前も幸せになってくれ。
誰に憚ることもない、一片の曇りもない幸せを掴んでくれ。
可愛いくて優しい女の子と結婚して家族を作る。そして子供ができたら俺に見せに来てれって、ニールが最後の最後まで大人の対応で驚いた。
このご時世で同性愛者が幸せになることって難しい。聖職者であるニールだからこそ、厳しい現実があることを知っている。マイケルにはそういう思いをさせたくないんだろうけど…。
何年か後、最終的にマイケルが大人になって彼に会いに行く。もちろん可愛くて優しい女の子とは結婚していない。
ニールがこれ以上自分の心配をしなくてもいいように、そして今度は自分がニールを守れるように…。
身も心もすっかり大人に成長したマイケル。何年経っても変わらず想い続けてきた愛しい人との再会。以前と違い、気持ちに余裕ができたのか!?
『バレなきゃいいんだいいんだろ?バレなきゃ』
今ではマイケル・レビィ家の家訓でもあるそうです。まさかマイケルのクチからこのセリフが出てくるとは!最後のスチルがめっちゃ幸せそう。
神学校恩師であるラザラス神父が言っていたように、時代よって必要な戒めが変わるなら、法も教会もそれに携わる人たちも変わっていく。
いずれ必ず、同性を愛することが罪でない世の中に変わっていくだろう…。
この言葉から、2人が堂々と愛し合える日が訪ずれることを願いつつ、ニールルートの幕を閉じたいと思います。
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